予備校講師に調教された黒髪巨乳愛奴 ※付録DVD収録
告白 頼子(仮名)
普通でありたい。ずっとそう思って生きてきました。
小さな頃から父親に「絶対に目立つようなことはするな」「人様に迷惑をかけるようなことはするな」と躾けられてきたからでしょうか。自然と誰しもに「普通」だと思われるような行動ばかり取ってきたように思います。
いじめられることもなければ、いじめることもありませんでした。それなりに恋もして、それなりに女性としての体験も重ねてきました。
私は普通を意識しすぎるあまり、どんな時も傍観者らしく振舞ってしまう癖がついていたのです。それを初めて指摘されたのは今から二年前のことです。
当時は高校三年生。私は大学受験のために、地元の予備校に通っていました。
国立を目指していた私にとって、数学はとても厄介な科目でした。両親ともに文学部卒という文系家庭で育ったせいか、数学の理解力は同世代に比べると、かなり劣っていたのです。あのままでは、とうてい志望校に入学することはできなかったと思います。
そんな私を救ってくれたのが、数学を教える木村先生でした。
木村先生は最高学府の出身で、完全無欠な理系脳だったのです。
理系は冷たくて合理的だというイメージがありますが、木村先生は柔和で優しい方で教え方も上手でした。学校の先生の説明は何度聞いてもわからないのに、木村先生に教えてもらうとすぐに理解することができたのです。
「先生、教えてほしいことがあるんですけど……」
それは先生に話しかけるときの私の口癖。わからないところをわざわざ見つけて先生のもとに行っていたほどです。恋愛感情に似てはいましたが、どちらかというと憧れに近かったのかもしれません。
あまりに私が質問に訪れていたので、先生は予備校の開校時間内に答えきれないこともありました。いつしか先生と二人、車の中や喫茶店などで教えてもらう機会も増えていきました。もちろん、ほかの生徒には内緒です。
あれは夏期講習の真っ只中のことでした。いつものように先生の車の中で解けなかった問題のおさらいを終えました。
「だいぶわかってきたじゃないか。そろそろ先生の助けもいらないかな?」
「そ、そんなことないです」
「そうだ。夕飯はまだなんだろ? 明日は休講日だし、今日は先生がごちそうしてあげるよ」
私の両親は共働きで、その時期はとくに繁忙期を迎えていたこともあり、夕ご飯はいつも一人で済ませていたのです。
「ありがとうございます!」
私は胸の高鳴りを抑えながら先生と二人でファミレスでご飯をごちそうになりました。
唐突な口づけ
口づけはあまりに唐突でした。明かりの点いていない自宅の前に止まった車の中、先生は私の肩を抱き寄せ、やさしくキスをしたのです。私も自然と目をつむり先生を受け入れていました。
「よかったら明日、家で勉強しないか?」
まだ温かな感触の残る唇をなぞりながら、私は首を縦に振りました。キスの後のお誘い。それが何を意味するのか、わからない年齢ではありません。その夜、私はしっかり体のお手入れをして、次の日に備えました。
「いらっしゃい、待ってたよ」
先生の自宅は、駅前にある大きなマンションでした。一人暮らしだというのに、3LDKの家の中には埃ひとつ見当たりません。ただリビングにひとつ普通の家にはないものが存在していました。それは無造作に置かれた縄でした。日常的な家具とのギャップに強い異物感と嫌悪感のようなものを覚えました。
「ああ、これね。あまり気にしなくていいんだよ。さぁお茶でも飲みながら予習を済ませてしまおうか」
先生は私の腰に手を回して、書斎のほうへと導いていきました。私は普段の先生にはない違和感を覚えていました。前日のキスで恋の高鳴りを感じていたわけではありません。普通であり続けようと生きてきた私は「普通ではない」世界に対する危険信号のようなものが人一倍強く働くのです。
勉強にもまったく身が入らず、正体不明の違和感だけが私を支配していました。その違和感の正体は、強烈な眠気の後にまざまざと思い知らされることになるのです。
目が覚めても、視界は真っ暗でした。布のようなものが目を覆っていることはすぐに気づきました。でも、それを振りほどくことはできません。二つの手首がしっかりと結ばれていたからです。
「目が覚めたかな?」
「先生……」
先生の声が聞こえると、体の中の危険信号が大きな音を鳴らして、私の内側をノックしました。怖い。助けて。そう叫びたくても体中が痺れて、うまく声が出せませんでした。
「大丈夫。君の事だからすぐに慣れるよ。愛してる」
先生の「愛してる」から伝わってくるもの。愛だったり欲望だったり、狂気だったり、いろんな感情があべこべになったもの。それは私が知っている普通の愛情とは形も中身もまったくちがうものでした。
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